この裁判は、岩国市で訪問介護サービスを受けながら1人暮らしをしていた100歳代の女性が、新型コロナの感染が広がっていた4年前の6月、東京から家族が帰省したことを理由にサービスの中止を通知され、最終的に契約を解除されたのは不法行為にあたるとして、医療法人に300万円余りの賠償を求めたものです。
女性は、現在は亡くなり、家族が裁判を引き継いでいます。
27日の判決で山口地方裁判所岩国支部の小川暁裁判長は「当時、国からはサービスが利用者の生活に欠かせないとして、感染防止策を講じたうえで事業の継続を要請されていた。そうした中、女性や家族の体調の聞き取りや対策を検討することなく、家族が東京から帰省したことのみでサービスを提供しないのは許されない」などと指摘しました。
そのうえで、契約解除のあと女性は別の訪問介護サービスを受けていて、精神的苦痛は小さいなどとして医療法人に30万円の支払いを命じました。
女性の次女「認められた部分は当然」
裁判のあと、訴えを起こした女性の次女は「法人はサービス中止が母親にどれだけ危険を及ぼすか考えておらず、今回認められた部分は当然だと思う。ただ、それ以外では納得できないことも多い」と話し、控訴するかどうか検討したいとしています。
また、サービスを提供していた岩国市の医療法人は「判決の内容を把握したうえで今後、対応していきたい」とコメントしています。
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