堺市で2018年、がんや糖尿病を患っていた父親にインスリンを過剰投与して死亡させ、弟を練炭自殺に見せかけて殺害したとして殺人罪などに問われた無職、足立朱美被告（49）の控訴審判決で、大阪高裁（長井秀典裁判長）は26日、無期懲役とした一審判決を支持し、検察側と被告側双方の控訴を棄却した。
長井裁判長は判決理由で、被告によるインスリン投与と死亡の因果関係を認定。量刑については「2人の生命を奪った結果は重大」とする一方、過去の死刑判決事件と比べて同等の悪質性があるとはいえず「死刑の選択がやむを得ないとまでは言えない」とした。
判決によると、被告は18年1月、堺市の実家で父に多量のインスリンを投与し、低血糖脳症などで死亡させた。同年3月、弟を睡眠薬で眠らせ、トイレ内で練炭を燃やして一酸化炭素中毒死させた。
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