青森県むつ市にある中間貯蔵施設は、東京電力と日本原子力発電の原発から出る使用済み核燃料を一時的に保管する全国初の施設です。
この施設で保管される最初の使用済み核燃料を積んだ専用の輸送船が、26日午前8時ごろ青森県内の港に到着しました。
使用済み核燃料は、新潟県にある東京電力の柏崎刈羽原発から運び出されたもので、「キャスク」と呼ばれる金属製の容器1基に69体が収納されています。
使用済み核燃料を入れた「キャスク」は港で専用のトレーラーに載せられたあと、およそ1.5キロの専用道路を通って中間貯蔵施設に運ばれました。
事業者の「リサイクル燃料貯蔵」によりますと、輸送作業は午後4時25分に完了したということです。
使用済み核燃料について、国は、再処理してプルトニウムなどを取り出し、再び原発で使う核燃料サイクル政策を進める方針ですが、青森県に建設中の再処理工場の完成延期で、各地の原発から搬出できず、保管場所のひっ迫が課題になっています。
使用済み核燃料が原発の敷地外で中間貯蔵されるのは全国で初めてで、到着した「キャスク」は建物内に運び込まれたあと、事業者による検査が1週間ほどかけて行われ、原子力規制委員会の確認を経て、正式に事業が始まります。
事業者は保管期間を最長50年としていますが、核燃料サイクルの実現にめどが立たない中、地元では、そのまま留め置かれるのではないかといった懸念の声もあり、具体的な道筋を示せるかが課題となります。
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