宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、小惑星りゅうぐうから砂や石を持ち帰った探査機「はやぶさ2」が2026年に通過観測する小惑星を「トリフネ」と命名したと発表した。日本神話に登場する神や、神が乗る船の名前である「天鳥船」にちなむという。

小惑星「トリフネ」に接近する探査機はやぶさ2のイメージ(池下章裕氏作成)=JAXA提供・共同

はやぶさ2は、小惑星りゅうぐうの砂を採取して20年に地球に届けた後、新たな旅を続けている。トリフネと命名された小惑星「2001CC21」は直径約500メートルで、細長い形だと考えられている。宇宙空間を非常に長い期間移動して小惑星に接近する技術獲得が主な目的で、超高速でトリフネとすれ違いながら表面の様子を調べる。

名称は一般公募し、3082件の応募の中から、小中学生9人を含む選定委員会が選んだ。国際天文学連合(IAU)に提案し、正式に承認された。IAUからは「神話から選んでほしい」と要望があったという。小惑星は01年に米国のチームが発見したが、命名権を譲ってもらった。

天鳥船は、高速で安定して航行できる船とされており、観測の安全な実施を願う思いも込められている。これまでの望遠鏡での観測によると、トリフネの自転周期は約5時間で、約1年で太陽の周りを1周している。〔共同〕

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