福島第一原発では、トリチウムなどの放射性物質を含む処理水がタンクで保管されていて、東京電力は去年8月から、政府の方針に従って、基準を下回る濃度に薄めたうえで海への放出を行っています。

東京電力は、今年度として5回目、通算9回目となる放出を26日正午前に開始しました。

来月中旬にかけて、これまでとほぼ同量のおよそ7800トンを放出するとしています。

これまでの8回の放出で、原発周辺で採取された海水のトリチウム濃度は、いずれも東京電力が自主的に放出の停止を判断する基準を大きく下回っています。

処理水の放出をめぐっては、去年の放出開始直後から日本産の水産物の輸入を全面的に停止していた中国政府が今月、輸入を段階的に再開させることなどで日本側と合意しました。

今回の放出は、この合意の後としては初めてで、東京電力は「引き続き科学的根拠に基づく情報を中国を含む国際社会に分かりやすい形で発信し、安全性について理解してもらえるよう説明を重ねていく。安全な海洋放出を安定的に実施できるよう緊張感を持って取り組んでいく」としています。

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