【香川】7月8日午前、野村証券高松支店に高齢女性から電話がかかってきた。「国債を解約したい」という女性に、南里奈央子さん(34)が対応した。
「どういった理由ですか?」と尋ねたが、女性は焦った様子で「近日中に現金を手渡しで欲しい」と言っていた。
同店では毎月1回ほどコンプライアンス研修として詐欺の手口や事例を学んでいる。南里さんは、女性の話や現金を強く求める様子を不審に思い上司に相談。並行して、2回にわたり計1時間以上かけて電話で女性から事情を聞き取った。
「女性は不安からヒートアップしていると思ったので、私は丁寧に話を聞こうと思いました」と南里さん。
詳しく確認すると、女性の自宅に屋根瓦のリフォームを勧める業者が訪れ、女性が契約のためにお金を必要としていたと分かった。女性は100万円以上の国債を解約しようとしていた。
南里さんらが事件の可能性を考え、すぐに坂出署へ電話したことで女性はお金を支払わずに済んだ。同署は、悪質商法の疑いがあるとしてこの業者を捜査しているという。
同署は被害を防いだとして、9月18日、南里さんと支店長の並木孝裕さんに感謝状を贈呈した。
南里さんは「高松支店の連携、チームワークでお客様の資産を守れてよかった」と笑顔で話した。
同署によると、県警へ寄せられた悪質商法の相談は今年8月末時点で263件。昨年同期は175件で、増加しているという。同署担当者は「格安をうたったり、契約を急いだりする業者には気をつけて欲しい」と呼びかけている。(土居恭子)
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