記録的豪雨に見舞われた石川県能登地方で支援活動に当たる県の災害ボランティアが24日、輪島市に到着して活動を始めた。宅田町の仮設住宅団地では、県内外から集まった40人が、泥まみれになった部屋から家電や家具を運び出したり、部屋の掃除をしたりするのを手伝った。被災者からは感謝の言葉とともに、今後への不安も聞かれた。(大野沙羅、星野大輔)

浸水被害を受けた仮設住宅から家財道具を運び出す災害ボランティアら=24日、石川県輪島市宅田町で

◆浸水した家具を運び出し、濡れたものを乾かす

 21日の豪雨では市内を流れる河原田川が氾濫し、142戸が集まる仮設住宅団地「宅田町第2団地」の一帯が冠水した。県は市から要望を受け、2日間で40人ずつボランティアを募集。担当者によると、すぐに予約は埋まり、初日は20~70代の男女が参加、早朝にバスで金沢を出発し、午前11時すぎに到着した。  ボランティアは3人一組で、浸水した冷蔵庫や洗濯機などを廃棄するために部屋から運び出したり、ぬれた布団や本を外で乾かしたりするのを手伝った。  豪雨で避難所に身を寄せる1人暮らしの早瀬輝造さん(62)は「断水して着替えも泥だらけなので片付けができなかったけれど、一瞬で終わった」と笑顔。ただ、今後について「部屋の消毒は必要ないのか、ここがどれくらい安全なのか。どうすればいいか分からない」と不安を口にした。  活動した川崎市の宮田友紀さん(52)は「少しでも被災者の方の笑顔を見られたら」。愛知県武豊町、警察官の川北裕介さん(41)は「言葉で表現できないくらい気の毒で、早く復興してほしいのにもどかしさがある。(被災者には)気持ちを切らさず頑張ってほしい」と話した。

◆震災ボランティアとして利用していたスーパーが…

大雨が流れ込んだ店舗兼住宅から家具などを運び出すボランティア=24日、石川県輪島市町野町で

 輪島市町野町の「もとやスーパー」では、兵庫県内の大学生で構成される「能登応援サークルネットワーク」のメンバー6人が泥にまみれた家具や商品を運び出した。3月以来、断続的に町野町でボランティア活動を続けている神戸学院大3年の藤原勝利さん(21)は「店は昼食の買い出しで利用していた。地震の時より被害がひどく感じる」と話した。  本谷一知(もとや・かずとも)社長(46)は「感謝しかない。ボランティアが来ると、守られているなと思う」と話した。 

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