今年に入り、交通事故で犠牲になる子どもが増加傾向にある。警察庁によると、1~8月に事故で死亡した幼児から中学生までの子どもは31人。昨年1年間の38人を超えるペースだ。

 昨年までの5年間で交通事故で亡くなった死者のうち中学生以下が占める割合は1.0~1.6%だったが、今年は1.9%と高くなっている。夕方の事故が多く、日没の時間も早まっていることから、同庁は早めのライト点灯など安全運転を呼びかけている。

 幼児から中学生までの死者数は2004年に207人、14年に80人と減少傾向にあり、22年は過去最少の27人だった。今年は幼児が14人、小学生が12人、中学生が5人。幼児は昨年1年間の16人に近づき、中学生はすでに同数に達している。警察庁は新型コロナウイルスによる行動規制が緩和され、子どもの外出が増えたことが一因とみる。

 今年の死者を事故に遭った時間帯別に見ると、午後3~5時台の下校時間帯が4割近くを占めた。歩行中が13人で最も多く、自動車に乗車中11人、自転車に乗車中5人、二輪車に乗車中2人が続いた。

 歩行中と自転車乗車中の事故は、半数が車道で起きていた。交差点でも6人が死亡している。歩行中に限ると、13人のうち3人に「飛び出し」があった。幼児では4人が「ひとり歩き」をしていたといい、警察庁は大人が一緒に歩いて見守るよう呼びかけている。(板倉大地)

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