旧優生保護法のもとで不妊手術を強制されたとして国を訴えている各地の原告や弁護団は、今月13日、国が慰謝料を支払うことなどで和解するとした合意書に調印しました。

宮城県内では5人の原告が国に賠償を求めていましたが、弁護団によりますと、このうち7月の最高裁判所の判決で仙台高等裁判所で審理をやり直すことになった佐藤由美さん(仮名)を含む4人については、24日に行われた協議で国側が謝罪し、慰謝料を含むおよそ1650万円をそれぞれに支払うことで和解が成立しました。

一方、最高裁の判決で佐藤さんとともに審理をやり直すことになった原告団の共同代表の飯塚淳子さんは、現段階では和解できないとして引き続き、協議が続けられることになりました。

優生保護法被害全国弁護団の新里宏二弁護士は「すぐに納得できないという気持ちは弁護団として理解できる。お金の問題ではないので、時間をかける必要がある」と話していました。

原告の義姉「裁判が始まり世の中が変わった」

24日、和解が成立した佐藤由美さん(仮名)は、一連の裁判で全国で初めて訴えを起こしていました。

協議のあとの会見で、裁判に参加することが難しい由美さんを支え、代わりに裁判に参加してきた義理の姉の佐藤路子さん(仮名)は、「裁判が始まってから弁護団はじめ、いろんな方に支えられてここまできました。裁判が始まったことから、世の中が変わっていくのが肌で感じるようにわかり、声をあげやすくなった」と話していました。

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