24日午前8時14分ごろ、鳥島近海を震源とする地震があった。地震の規模(マグニチュード)は5.8と推定される。気象庁は伊豆・小笠原諸島に津波注意報を出し、午前8時58分に八丈島で50センチ、午前9時34分に神津島で20センチの津波を観測。三宅島と伊豆大島でも10センチの津波を観測した。注意報は午前11時に解除された。

同庁は千葉県から沖縄県・大東島地方にかけての沿岸でも若干の海面変動が予想されるが、被害の心配はないと発表した。

同庁の青木重樹地震津波対策企画官は記者会見し、「地震では震度1以上の揺れは観測されなかった。その後、活発な地震活動は見られない」と説明した。

地震の震源は鳥島北方にある須美寿島付近。18日に海上保安庁が海面の変色を確認し、気象庁が海底噴火への警戒を呼び掛けていた。今回の地震や津波の原因が海底噴火によるものかは、まだ分かっていないが、須美寿島付近では過去にも繰り返し地震と津波が発生している。

鳥島近海では昨年10月9日にも地震があり、伊豆・小笠原諸島のほか、千葉県から鹿児島県にかけての沿岸に津波注意報が発表され、各地で津波を観測した。

海上保安庁のその後の調査で、鳥島の南西にある海底火山「孀婦(そうふ)海山」で噴火が起き、新たに火口が形成されていたことが判明。これが地震と津波の原因である可能性が高いとみられている。

伊豆諸島と小笠原諸島の津波注意報について記者会見する気象庁の青木重樹・地震津波対策企画官=24日午前、東京都港区

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