能登半島地震の被災地で記録的な大雨が降り、川の氾濫(はんらん)や土砂崩れなどで大きな被害が出ています。現地からの情報をタイムラインでお届けします。
13:00
不明の男性、消防の救出活動続く
消防によると、石川県輪島市久手川町の塚田川で22日午後、男性1人が見つかった。住宅4棟が流されたとの情報があった場所から下流域にあり、安否が分かっていない4人のうち、80代とみられる男性の可能性があるという。容体は不明で、消防が救出活動を続けている。
奥能登広域圏事務組合消防本部によると、消防団員から通報があった。流木に絡まった状態で、体の一部が見えたという。
12:00
馳浩知事「ボランティアたくさん入ってほしい」
石川県の馳浩知事は22日、能登半島の大雨災害で今後被災者の泥上げや片付けのニーズが高まるとして、「ボランティアにたくさん入ってほしい」と述べた。
元日の能登半島地震では、当初はボランティア応援の自粛を求め、復旧が進まない一因になったとの批判もあった。「今回はボランティアを増やすのか」との質問に、「地震の時はインフラがずたずたということで、ボランティアに入る方がむしろ足手まといになりかねないという状況だった」と語った。
今回は、その心配が小さいとした一方で、「四輪駆動車で入っていただくなど、配慮をしていただかないと、車で入っても泥にはまる可能性もあるので気をつけながら入っていただきたい」と付け加えた。
県は、ボランティアをバスで運ぶ準備もしているという。(土井良典)
「警察、消防、自衛隊が懸命な救助活動」 林官房長官
林芳正官房長官は、22日午前7時30分時点で死者1人、行方不明者3人、安否不明者3人との報告を受けていると明らかにし、「被災現場において警察、消防、自衛隊が現在も懸命な救命救助活動を行っている」と語った。同11時ごろに首相官邸で記者団の取材に応じた。
林氏はまた、米国を訪問中の岸田文雄首相から電話で「能登半島地震からの復旧復興の途上であることも踏まえつつ、引き続き被災状況を注視し、地元自治体のニーズをよく把握して対応するように」との指示があったと説明。石川県の馳浩知事とも電話で連携を確認したとし、「被害情報の把握や災害応急対策に全力を尽くすとともに、地元自治体と連携し、そのニーズをしっかり把握した上で対応に当たる」と述べた。
黒部渓谷のトロッコでトンネルに土砂、乗客60人を徒歩で誘導
22日午前10時ごろ、富山県黒部市の黒部峡谷・トロッコ電車の路線にあるトンネル内に土砂が流入した。降り続いた大雨の影響とみられる。黒部峡谷鉄道によると、この影響で乗員・乗客約60人を乗せたトロッコ電車(13両編成)が、出平―猫又駅間で一時立ち往生した。
同鉄道によると、トンネルを通過して数分後に土砂が流入。乗客の安全を確保後、約500メートル離れた出平駅まで徒歩で誘導したという。けが人はいないという。
この土砂の撤去作業などのため、22日は終日トロッコ電車の運転を休止する予定。
濁流と無数の倒木 「住宅流された」情報の輪島市久手川町
石川県輪島市では、22日朝も横殴りの激しい雨が続いた。
住宅が流されたとの情報がある同市久手川町は、普段なら中心市街地から車で10分足らずの場所にある。塚田川の茶色い濁流は激しく、ゴーという水の音と強い雨音で、防災無線の呼びかけの音も聞き取れないほど。塚田川には木肌がむけた倒木が無数に流れ、木と土のにおいがただよっていた。
川沿いに立つ壊れた住宅にも流れてきた流木とみられる塊が引っかかり、道路に勢いよく流れる泥水も次第に水かさを増していった。
「流された」との情報がある住宅のあった場所はどこなのか――。それ以上近づいて確認することはできなかった。
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