記録的な大雨で川の氾濫(はんらん)や土砂崩れが相次いだ石川県能登北部では、一夜明けた22日朝も、雨が降り続いている。気象庁は輪島、珠洲、能登の3市町に大雨特別警報を発令し、厳重な警戒を呼びかけている。
石川県などによると、死者は珠洲市で1人。消防によると、死亡したのは珠洲市若山町の70代男性で、土砂崩れで家屋が倒壊、搬送時には心肺停止の状態だった。
行方不明者は輪島市、珠洲市、能登町で各1人の計3人、いずれも川に流されたという。能登町では2人が重傷を負った。
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輪島消防署によると、輪島市久手川(ふてがわ)町で住宅4棟が川に流され、住民4人の安否がわかっていない。同市町野町では住宅が巻き込まれる崖崩れが2件起き、住民がいたかどうか確認している。
国土交通省の現地事務所によると、輪島市門前町では、国道249号の中屋トンネル付近で土砂崩れが起き、地震からの復旧工事に携わっていた作業員3人と連絡が取れていない。消防は22日早朝に現地に集合し、捜索再開に向けて準備している。
21日午前には、石川県内で線状降水帯が発生。輪島市や珠洲市では1976年からの観測史上最大の雨量を記録。22日午前6時までの24時間降水量は、輪島市で354.5ミリ、珠洲市で267ミリとなった。
【動画】大雨で川から水があふれた石川県輪島市内=2024年9月21日午前10時半過ぎ、読者提供県などによると、孤立状態の地区は、珠洲市で4カ所、能登町で2カ所確認された。21日夕の県災害対策本部員会議で、輪島市の坂口茂市長は「門前町以外はすべて孤立。行方不明は10人ほどいる」と報告した。
21日夕時点で、16河川が氾濫して床上、床下浸水は多数にのぼり、仮設住宅8団地でも床上浸水が起きている。停電も輪島市を中心に計約6500戸で発生し、各地で断水も起きている。
22日午後にかけ各地で警報級の大雨
大気が不安定な状況は続いており、22日午後にかけて、東北から九州までの地域で警報級の大雨となるおそれがある。
総務省消防庁によると、21日午後4時時点で、避難指示が出されているのは石川県で4万4585人、山形県で1万4987人、新潟県で1972人の計6万1544人。
JR東日本は22日も、山形新幹線の山形―新庄間の上下線で運転を見合わせる。
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