老舗しょうゆ蔵元の建物を改装した「咸亨酒店」と小川宣夫さん=8月、茨城県常陸太田市

 紹興酒の発祥地として知られる中国浙江省紹興市で19世紀末に実在した居酒屋「咸亨酒店」が茨城県常陸太田市に出店した。文豪魯迅の小説に登場するなど文化人に愛された名店で、現地の雰囲気を再現した。本店訪問歴がある小川宣夫さんが監修し「料理を囲み、交流できる憩いの場にしたい」と意気込む。  紹興市の街並みを思わせる柳の木があり大きなのれんをくぐると、八角やシナモンのにおいに包まれる。メニューは「中国薬膳がゆ」や「ルーローハン」など。旬の県産食材を使い、10年熟成の紹興酒と楽しめる。  起源の店は1894年に創業し96年まで営まれた。1981年に観光活性化と魯迅の生誕100周年に合わせて復活を果たす。  屋号が日本に掲げられたのは約30年前。紹興酒を輸入する商社の傅健興社長が現地の本店から許可をもらい、東京・神保町に誕生した。今春、ビルの老朽化で閉店することになり、小川さんが地元の常陸太田市への移転を持ちかけた。  老舗しょうゆ蔵元の建物を改装し、紹興市で特徴的な黒い瓦屋根と白壁をイメージした内装とした。


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