◆別の倉庫で働く男性も「2年連続で熱中症と診断」
熱中症対策を求めて会見をするAさん(前列右から2人目)と労働組合のメンバー=20日、東京都内で
同社の関西地方の倉庫で働く別の男性従業員もオンラインで参加。倉庫内は40度以上になることが多く、現在も37度ほどだという。2年連続で病院で熱中症と診断されたといい、「品質管理にも影響がある。空調設備などの対策をしてほしい」と訴えた。 ◆十分な熱中症対策求めるオンライン署名は2万筆超える 労働組合の「総合サポートユニオン」などは、職場の熱中症対策などについて、オンライン調査を9月14~19日に実施。88人から回答があった。「熱中症対策が実施されているが不十分」「対策がまったく実施されていない」が全体の53.4%。職場で気温の把握がされていないのは、42%に上った。15.9%の職場で34度以上が計測されており、調査担当者は「多くの企業が熱中症対策にコストをかけていない」と話した。 ヤマトに熱中症対策を求めるオンライン署名も実施しており、19日現在で2万925筆が集まっている。 <従業員2人の主な発言>ヤマト運輸の兵庫県尼崎市内の倉庫で勤務する男性従業員Aさんや、同社の関西地方の倉庫で働くBさんの記者会見での主な発言は次の通り。
◆窓が全部開くようになったが、熱中症指数は常に「危険」
Aさん 前回(8月19日の)記者会見とヤマト本社への申し入れがあるまでは、倉庫内の温度が40度を超えている状態。温度計は40度までしか測れないんですけども、それがもう針を振り切っている状態で、熱中症システム針も常に「危険」を指している状態という労働環境の中で働いていました。ヤマト運輸への申し入れが終わった後、改善点としては、さびついて半分しか開かなかった倉庫の窓が全部開くようになりました。倉庫内でトラックのエンジンが掛けっぱなしだったのが、エンジンを倉庫内で切るようにというルールができまして、温度は、かなり下がりました。とはいえ、相変わらず34度、35度で熱中症の指数は常に「危険」を指しているという状態が当たり前になっています。ヤマト運輸の倉庫内の熱中症対策は安全ではないと思っています。◆ストを知って声を上げた…前向きな対策をしてほしい
Bさん ニュースでストのことを知って、ヤマトの後ろ向きな対応に疑問をもって声を上げさせていただいた。私の事業所でも40度以上の気温になることが多くて、8月22日になっても40度に達していた時期がありました。送風機やスポットクーラー、熱中症対策のあめとかエンジンを切るとかの対策はやっているものの、それでは全然カバーしきれないくらいの暑さでした。仕事の翌日に動けなくなり、病院に行ったことが去年と今年の2回もありましたし、仕事中に手足がつることや気分が悪くなることが日常化しています。このような職場では、やっぱり品質管理とかにも影響が出かねません。ヤマトさんには、この実態を真摯(しんし)に受け止めて、施設の空調設備や断熱塗料を塗るなどの前向きな対策をしていただきたいと思っております。 ―前回、ストを実施されてから不当な扱いはありましたか。 Aさん それはない。 ―改めて会社に求めたいことは何ですか。 Aさん 求めていることは、同業他社の代表とも言える佐川急便と同程度の暑さ対策、具体的にはファン付き作業服やネッククーラーの支給を急いでやってほしいです。 ―周りの従業員の人は今どんな状況ですか。 Aさん 職場の仲間は、相変わらずな暑さでふらふらしながら働いている。 ―Bさんの現在の職場の環境はどうか。病院で熱中症の診断がありましたか。 Bさん 今現在でも37度くらいの気温になっている。2回とも熱中症の診断が下りて、点滴などの薬の投与をしました。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。