東京都板橋区で1月、2階建てのバイク修理店兼住宅が全焼し、住民6人が死傷した火災があり、警視庁は、店の元経営者の男(31)=同区=を業務上過失致死傷と業務上失火の容疑で20日にも東京地検に書類送検する方針を固めた。男は「携行缶に入ったガソリンをこぼして火事を起こした」などと供述しているという。

 捜査1課によると、男は1月11日午後7時半ごろ、同区高島平2丁目の店舗兼住宅で、キャップが緩んだ状態のガソリン携行缶を運んでいた際、床の段差につまずいて転倒。こぼれたガソリンが近くにあった石油ストーブに引火したことによって、1階の店舗と2階の住宅延べ約300平方メートルが全焼し、2階に住んでいた大家で無職の斉藤信夫さん(当時80)と妻の啓子さん(同75)を死亡させ、夫妻の長男夫婦と孫ら15~53歳の男女4人に重傷を負わせた疑いがある。男にけがはなかった。

 男は当時、客に貸す「レンタルバイク」に給油するために携行缶を運んでいた。携行缶を最後に使ったのは、火災の1週間以上前で、男は使用前にふたが閉まっているか確認する業務上の注意義務を怠っていたといい、「携行缶のふたが閉まっているか確認しませんでした」と供述しているという。(遠藤美波、長妻昭明、藤田大道)

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