去年7月、改正道路交通法が施行され、最高速度や車体の大きさなど一定の基準を満たした「電動キックボード」について、16歳以上は運転免許がなくても乗ることができるようになりました。
それからことし6月までの1年間に「電動キックボード」の利用者が交通違反で検挙されたケースが、全国で2万5156件にのぼったことが警察庁のまとめでわかりました。
速度を抑えたモードに切り替えないまま歩道に進入するなどの「通行区分違反」が1万3842件と最も多く、次いで信号無視が7725件、一時不停止が1455件でした。
また、酒気帯び運転も194件にのぼったということです。
一方、人身事故は1年間に219件発生し、226人がけがをしましたが、亡くなった人はいませんでした。
このうち、警察庁がことしに入ってから6月までの134件の人身事故を分析したところ、酒を飲んで運転し事故を起こしたケースが全体の17%にあたる23件あったということです。
これは。自転車や原付きバイクの飲酒事故の割合がそれぞれ1%ほどであることと比べると大幅に高い割合だということで、警察庁は改めて交通ルールの徹底を呼びかけるとともに、飲酒運転など悪質な交通違反を重点的に取り締まることにしています。
利用者の2割余り ”事故起こした・危険感じた”
警察庁は今後の安全対策を検討するため「電動キックボード」の利用者およそ1000人を対象にアンケート調査を行いました。
それによりますと、複数回答で「電動キックボード」を運転中に
▽「自動車や自転車と接触した」または「接触しそうになった」と答えた人は12%
▽「単独で転倒した」または「転倒しそうになった」と答えた人は7%
▽「歩行者と接触しそうになった」と答えた人は3%となりました。
このように事故を起こしたり、事故を起こしそうな危険を感じたことがあると答えた人は全体の21.7%にのぼりました。
さらに警察庁は、運転免許証の更新に訪れた2000人あまりを対象に、車の運転中や道を歩いていたときに「電動キックボード」と事故を起こしたり事故を起こしそうな危険を感じたことがあるかアンケート調査を行いました。
それによりますと「自動車を運転中に、電動キックボードと接触した」または「接触しそうになった」と答えた人は、12%で利用者へのアンケートの結果とほぼ同じような割合になったということです。
一方で、「歩行中に接触した」または「接触しそうになった」と答えた人は22%にのぼり、利用者へのアンケートの結果とは大きな開きがみられたということです。
これについて警察庁は、歩行者に「電動キックボード」と接触しそうになったと認識している人がいる一方で、利用者が気付いていないケースがあるのではないかと分析しています。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。