東京電力は9日、中断していた福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しについて、作業を10日午前から再開すると発表した。取り付けミスがあったデブリ回収装置のパイプの並べ替え作業などを9日までに完了し、同原発を訪れた小早川智明社長が映像で確認したという。

東電によると、7~8日にパイプ5本の並べ替え作業を実施。順番を示したテープを貼るなどの再発防止策も講じた。9日には小早川社長が遠隔操作室のカメラを通じてパイプの並び順などを直接確認したという。

試験的取り出しは8月22日に始まる予定だったが、同装置のパイプの順番が誤っていることが判明し、作業を中断していた。

その後の調査では、協力企業が7月にパイプを接続したが、東電は順番をまったく確認していなかったことが判明。東電は作業再開に当たり、準備段階から確認を徹底するなどの再発防止策を講じたという。

試験的取り出しでは、回収装置を2号機の格納容器内に投入し、2週間程度かけて底にたまったデブリから最大約3グラムの取り出しを目指す。放射線量が極めて高く、廃炉作業の中でも最難関と言われており、2011年の事故後初の試みとなる。

福島第1原発2号機の溶け落ちた核燃料(デブリ)の回収装置の一部=8月22日(東京電力提供)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。