障害のある子どもを放課後などに受け入れる施設「アルプスの森」(大阪府吹田市)で、通所者を殴ったとして暴行などの罪に問われた施設代表の宇津慎史被告(61)に対し、大阪地裁は9日、懲役1年2カ月執行猶予3年(求刑懲役1年2カ月)の判決を言い渡した。

 判決によると、宇津被告は昨年2~4月、通所していた男子高校生の頭を殴ったり壁に打ち付けたりした。中井太朗裁判官は「短期間に多数回の暴行を加え、悪質だ」と指摘。「男子高校生が他害行為に及ぶのに腹を立てた」という動機も、職責からすれば、酌むべき事情にならないとした。

 一方で反省の態度を示し、事業所の閉所で職を失うなど社会的制裁を受けたとして、刑の執行を猶予した。

 この施設では、自閉症の男子中学生(当時13)が2022年12月、施設外に飛び出して近くの川で死亡し、この問題で業務上過失致死罪で起訴された宇津被告の兄で施設職員の雅美被告(66)の審理が続いている。(田添聖史)

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