物価高やインバウンド(訪日客)需要での交通費と宿泊費の高騰を受け、東京都葛飾区は来年4月から、区立中学校の修学旅行や小学校の林間学校など宿泊を伴う移動教室の費用を無償化する。東京23区内では初めて。

◆対象2900人、計2億3200万円と試算

葛飾区総合庁舎

 特別支援学校を含めた区内47の小中学校が対象となる。区立の義務教育にかかる経費を行政が負担し、安定的な教育につなげたい考えだ。  中学3年生が主に京都、奈良を訪れる2泊3日の修学旅行の無償化のため、交通費や宿泊費を含めた約2億3200万円が必要と見積もった。対象は約2900人で、1人当たりの保護者の負担を約8万円で試算した。

◆青木克徳区長「周りに広がっていくべき」

 他の移動教室の無償化には、約4900万円を予定する。修学旅行以外の林間学校や小学5年の臨海学校、中学2年の移動教室については、既に区が交通費を負担しており、保護者が負担していた食費などへの支援を拡充する。  青木克徳区長が5日、区内で記者会見し「これまでお金を気にして修学旅行に行けなかった人がいたかもしれない。気にしないで参加できるよう、行政で面倒を見ていくべきだ」と述べた。「財源は優先順位をつけて、削減できるものは削減する。今の時期から議論し、先導することで周りに広がっていくべきだと思う」との考えを示した。 

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