「『いいね』を押すだけ」「スタンプをおくるだけ」といった、すき間時間に簡単な作業で稼げるとうたう副業に関するトラブルが増加していると、国民生活センターが4日、注意を呼びかけた。様々な理由をつけて送金を要求されたあげく、金は戻らず報酬も得られなかった事例が目立ち、平均被害額は100万円を超えているという。
今年5月に地元の消費生活センターに相談した30代の女性は、子育てしながらできる副業を探し、SNSで「動画SNSを見るだけで報酬を得られる」という広告を見て、メッセージアプリ経由で申し込み、仕事を始めた。チームで対応することになったが、ミスでチーム全員が損をしたと言われ、処理費用15万円を指定された口座に振り込んだ。さらに、次の作業で戻ってくるからと言われて約40万円を口座に振り込んだものの、作業が終わったら、報酬などを引き出すためにはさらに約70万円が必要と言われ、おかしいと気づいた。
国民生活センターによると、こうした簡単な作業を伴う副業に関する消費生活相談件数は、昨年度が3694件で20年度の2.8倍に増えている。今年度は7月末までに950件と昨年度同期の703件より約250件の増。被害金額も今年度は平均約106万円で、昨年度の約76万円より30万円増えている。
相談は女性が8割で、年代別では20代が最も多く約半数を占め、次いで30代が17%。
同センターによると、SNS広告で副業サイトに誘引され、メッセージアプリで友だち登録をした後、作業を紹介されるのが主なパターン。「すき間時間を利用できる」などと手軽さを強調することで、子育て中の女性が家にいても稼げるのではと始めてしまう事例があるという。
簡単に稼げる、もうかることを強調する広告は詐欺の可能性があるのでうのみにしないで、と同センター。悪用される可能性もあるので相手方に安易に個人情報を開示せず、金の振り込みを求められたら、消費生活センターなどに相談してほしいという。(大村美香)
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