高級腕時計を高額で転売できると持ちかけ、購入させた腕時計をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は4日、会社役員の出口貴浩容疑者(40)=東京都港区=と職業不詳の石谷優樹容疑者(30)=東京都台東区=を詐欺容疑で逮捕した。腕時計の約9割はロレックスで、被害総額は約75億円に上るという。
逮捕容疑は2018年12月ごろ、埼玉県の20代男性に「購入代金に売却利益の50%を上乗せして支払う」と高級腕時計の購入を勧めたうえ、腕時計1点(販売価格255万円)を委託販売契約名目で預けさせだまし取った疑い。同課は認否を明らかにしていない。
同課によると、2人は取引先や知人の紹介を通じて「中国では購入額の倍で転売できる。元金に加えて利益の半分を渡す」などと説明し、腕時計の購入者を集めていた。18年10月〜23年3月に40都道府県の約600人から約3000本の腕時計を預かったという。
しかし実際には国内の買い取り店に腕時計を売却。購入者には売却代金の一部を分割で支払う一方、大半は2人が受領していた。購入を仲介した人物にも報酬を支払っていたとされる。
高値で取引される高級腕時計は投資対象としても注目される一方、取引に絡むトラブルも起きている。所有者から預かった高級腕時計を貸し出すシェアリングサービス「トケマッチ」では、運営会社元代表が腕時計を横領していた疑いが浮上。警視庁が3月に元代表らを指名手配し行方を追っている。
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