有名人になりすました偽の広告を使った投資詐欺が増えています。被害にあわないためにはどうすればいいのでしょうか。インターネットやSNS上の金融トラブルに詳しい成蹊大学客員教授の高橋暁子さんに注意点を聞きました。

Q 主な詐欺の手口は。

A SNS上で投資家や実業家、有名人らの画像を無断で使用した広告が出回っています。クリックすると、LINEのグループに招待され、グループ内での投稿などで信用させてから、偽の投資話を持ちかけたり、偽のサイトに登録させたりなどしてお金をだまし取ります。

Q どんな人たちが被害にあっていますか。

A 中高年層の被害が目立ちます。普段からSNSを使い、学校などでネット上での詐欺の危険性などを学ぶ若者に比べ、ネットリテラシーが高くない層がターゲットにされています。

Q なりすまされている側の有名人で多いのは。

A 経済アナリストの森永卓郎さん、実業家の堀江貴文さん、前沢友作さん、ジャーナリストの池上彰さんらがよく登場します。投資話に詳しそうだったり、名前が知られていたりする人の画像が悪用され、広告の信頼性を高めるために使われています。

 広告が掲載されるフェイスブックやインスタグラムが著名なプラットフォームであることも、「信頼できる」と思ってしまう要因となっています。

Q 身を守るためにはどうすればいいですか。

A まず、有名人や実業家らの投資を呼びかける広告を見たら、その人の名前をネットで調べましょう。本人が、自分の写真などが詐欺につながる広告に使われていることを発表していることもあります。

 流行している詐欺の手口は、テレビや新聞のニュースなどで報じられていることが多いです。ニュースで知った手口などを家族間で共有すれば、事前におかしいと感じるきっかけになります。

 LINEは設定を変えましょう。知らない人からの友だち追加ができないように、IDや自動の友だち追加をオフにしたり、友だち以外からのメッセージをうけとれないようにしたりする設定にしておくと安心です。分からなければ、詳しい人にお願いしてもいいと思います。

 クリックする前に、消費者ホットライン「188」へ電話相談してみてもいいでしょう。うまい話にときめいても疑うことが重要です。(聞き手・山田暢史)

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