バスやタクシーなど客を運ぶ車を運転するのに必要な2種免許に関し、取得するために受ける指定自動車教習所での技能教習について警察庁は25日、1日の上限時間を現在の3時限から4時限に増やす方針を明らかにした。教習に必要な日数を短縮して免許を取得しやすくし、運転手不足の解消を図る狙いだ。

 警察庁は今後、パブリックコメントを実施して道路交通法施行規則を改正し、今夏までに実施を目指す。対象は大型2種、中型2種、普通2種の免許を取得する1種免許の保有者。技能教習の上限時間が引き上げられれば、普通1種免許を持つ人が普通2種免許を取得する場合、これまで最短で7日かかっていたのが、1日短縮される。

 2種免許の保有者は昨年時点で約154万人で、この5年間で約20万人減った。タクシーなどの業界からは、運転手確保のために教習期間の短縮を求める声があがっていた。

 警察庁が1~2月、都内などで上限時間の引き上げに伴う疲労度の変化を調べる実験を行った結果、影響は見られなかったという。

 2種免許をめぐり、警察庁は今年に入り、英語や中国語など20言語に翻訳した問題例を各都道府県警に配布した。これまでは日本語での受験に限られていたため外国人の合格が難しく、業界団体から多言語化の要望が出ていた。(板倉大地)

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