文部科学省は29日、教員の働き方改革を推進するためのパッケージをまとめた。2025年度は小学校で教科担任制を拡充するために教員を計2160人増員し、新規採用の教員が担当する授業数も2割削減する。業務負担を軽減し、常態化する長時間労働の是正を目指す。

幹部会合で発言する盛山正仁文部科学相(29日、東京都千代田区)

中央教育審議会が教員の確保に向けた総合的な対策を盛山正仁文部科学相に答申したことを受けた対応。盛山氏は29日の幹部会合で「国、教育委員会、学校が一体となって、残業時間の縮減について成果を出したい」と述べた。

現在小学5、6年で実施している教科担任制は同3、4年へ拡大。文科省は3、4年の学級担任が担当する授業数は週3.5コマ、新任教員は約2割の同5コマ減ると試算している。

中学校では不登校の未然防止のために、全校に生徒指導担当の教員を配置するとし、25年度は1380人を増員。28年までの4年間で、生徒指導担当を計7500人に増やす考えだ。

増員が計画通りに実現するかは不透明だ。25年度の増員に必要な経費は同年度予算案の概算要求に計上したが、教員の不人気は深刻で、各地の学校では欠員が相次ぎ発生している。パッケージでは「勤務間インターバル」や校務デジタルトランスフォーメーション(DX)なども推進し、教員の労働環境の改善をはかるとした。

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