尼崎JR脱線事故の現場マンション横を通過する電車=24日夕、兵庫県尼崎市

 乗客106人と運転士1人が死亡し562人が重軽傷を負った2005年の尼崎JR脱線事故は、25日で発生から19年となった。JR西日本は、兵庫県尼崎市の事故現場に整備した「祈りの杜」で追悼慰霊式を営む。

 事故発生時刻の午前9時18分に合わせJR西の役員らが黙とう。遺族らが参列する慰霊式では長谷川一明社長がおわびと追悼の言葉を述べ、安全への取り組みに決意を示す。

 事故現場へ足を運ぶのがつらい遺族らのために、尼崎市に生中継会場も用意された。

 事故への責任を問われ、業務上過失致死傷罪で起訴された歴代4社長はいずれも無罪が確定。刑法では同罪などに組織を処罰する仕組みがなく、遺族らは法人と個人をともに処罰する両罰規定を導入した特別法の制定を求めている。

 JR西は大阪府吹田市の同社研修センター敷地内に事故車両を保存する新施設を建設中で、完成は25年12月ごろと見込んでいる。

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