川崎市幸区河原町の県営団地では8月12日から25日までの間に、3件の不審火がそれぞれ別の棟で起きました。
警察によりますと、1件目は4号棟の4階、2件目は5号棟の6階、3件目は6号棟の6階のいずれも火の気がない部屋の前で段ボールやすだれなどが焼けました。
住民で作る自治会によりますと、4号棟から6号棟は棟と棟の間にエレベーターと階段が設置され、廊下を通れば行き来できる構造になっています。
また防犯カメラは、それぞれの棟の1階にある広場とエレベーターホール、それにエレベーター内には設置されていますが、それ以外にはないということで警察はこうした県営団地の構造や移動のしかたなどを知っている人物が関わっている可能性もあるとみています。
一方、この団地周辺でも半径550メートルの範囲で8月11日以降、公園のベンチや集積場のごみが焼ける不審火が5件相次いでいます。
捜査関係者によりますと、横浜市で起きた強盗未遂事件で8月22日に逮捕された56歳の容疑者が一部については関与を認めているということですが、県営団地では容疑者の逮捕後も不審火が2件続いています。
このため警察は、強盗未遂事件の容疑者と不審火との関連を調べるとともに、県営団地の不審火については別の人物が関わっているとみて防犯カメラの映像を分析するなど詳しく調べています。
3件の不審火続く団地で住民が警戒強化
3件の不審火が起きている川崎市幸区河原町の県営団地では、住民が敷地内の見回りをするなど警戒を強化しています。
26日夜9時すぎ、4号棟と5号棟それに6号棟の住民で作る自治会の海野恵美子会長(80)ら住民15人が集まりました。
このあと、3つのグループに分かれてそれぞれの棟を見回り、廊下や階段の踊り場などをライトで照らしながら不審者がいないか確認しました。
自治会では、団地で最初の不審火が確認された8月12日以降、住民に対して廊下に段ボールなどの燃えやすい物を置かないよう注意を呼びかけています。
海野さんが確認したところ、廊下に置かれていた段ボールなどは減ったということですが、その後も不審火は続き、8月23日と25日には部屋の外にあるすだれなどが燃やされているのが確認されました。
部屋の前にすだれをかけている70代の女性は「放火が怖いので、きょう中に部屋の中にしまおうと思っています」と話していました。
自治会長の海野さんは、自分が住む部屋の前にバケツに入れた消火用の水を置いていて、不審火が再び起きた場合に備えて、団地の共有部分にも水を用意しておくことを検討しているということです。
海野さんは「『容疑者が捕まった』と安心しましたが、それ以降も再びこんな近くで不審火が続いていて心配です。住民の人は『捕まらないので不安だ』と話しています。早く捕まってほしいです」と話していました。
8月11日以降 川崎市幸区で8件の不審火
8月11日以降、川崎市幸区の半径550メートルの場所で不審火が相次いで起きています。
最初の不審火が起きたのは、8月11日の午後9時すぎ、緑道でごみ袋や雑草などが焼けているのが見つかりました。
このあと12日の未明にかけて、公園のベンチ、ごみ集積場のごみ、それに河川敷の段ボールなどが焼け、わずか4時間ほどの間に最初のものを含めてあわせて4件の不審火が立て続けに起きました。
また8月16日には、緑道の近くにある住宅の駐車場でバイクのカバーの一部が焼けているのが見つかりました。
さらに、同じエリアにある川崎市幸区河原町の県営団地でも不審火が3件相次いでいます。
1件目は団地の4号棟で、12日の午後9時半ごろ、4階の部屋の前に置いてあった段ボールとすだれから火が出ているのを住民が見つけて警察に通報しました。
2件目は団地の5号棟で、23日の午前7時40分ごろ、6階の部屋の前ですだれとプランターが焼けているのが見つかりました。
そして3件目は団地の6号棟で、25日の午前4時15分ごろ、6階の部屋の玄関ドア近くの窓にかかっていたすだれと近くに止めてあった自転車のタイヤの一部が焼けました。
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