NPO法人「なないろ」が運営する東京 板橋区の作業所で働いていた知的障害がある30代の女性は、当時の理事長から性的な虐待を受けたとして訴えを起こし、元理事長側は「虐待していない」などと争っていました。

26日の判決で東京地方裁判所の新谷祐子裁判長は、元理事長が数年にわたって女性の下半身などを日常的に触っていたことを認めました。

そのうえで、「女性は知的障害の影響で性的な行為の意味を正しく理解していなかった。元理事長の行為は性的な虐待に当たる」と指摘し、元理事長と法人に合わせて150万円の賠償を命じました。

また、法人に対してはこの問題をめぐり、女性の個人情報が書かれた報告書を関係者に送り、プライバシーを侵害したとして30万円の賠償も命じました。

原告の女性「ほっとしている」

原告の女性は、判決のあと都内で会見を開き「一つの区切りをつけることができたとほっとしている。施設側の主張を覆すことができてよかった」と話しました。

女性の代理人を務めた杉浦ひとみ弁護士は「障害のある人は親しくしてくれる人に接近するなど、他人との距離の取り方が苦手な場合がある。判決はそのような特性を踏まえ、障害者が接近したからといって性的な行為を認めたわけではないと指摘していて、意義がある」と話しました。

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