千葉県銚子市の千葉科学大を経営する学校法人加計(かけ)学園(岡山市)が銚子市に同大学の公立化を要望している問題で、銚子市の有識者検討委員会は25日、検討結果をまとめ、越川信一市長に答申した。「公立化は大学再生の魔法の杖(つえ)ではない」として、最善策を「加計学園による経営継続」とし、次善策を「ほかの学校法人への事業譲渡」とした。

答申書を示す矢尾板俊平委員長(右)と越川信一市長=千葉県銚子市で

 答申では、いずれも不可能なら公立化を考えるべきだとした。その場合でも、銚子市が経営主体となる前に現行の3学部6学科を2学部2学科に整理し、2210人の定員を10分の1以下の190人未満に減らすことなど、7つの条件を求めた。運営資金の銚子市への譲渡も含めた。  公立化しても経営難が続き、銚子市の財政負担が見込まれることを理由とした。25日の検討委会合後、矢尾板俊平委員長(淑徳大地域創生学部長)は記者会見で「地域や学生のため、市は早急に方向性を定めてほしい」と述べた。銚子市は今後、学園側と話し合い、公立化の是非を判断する。  千葉科学大は2004年開学。銚子市は市有地約10ヘクタールを無償貸与し、建設費77億5千万円を助成した。危機管理、薬、看護の全3学部はいずれも近年、定員割れが続く。学園は経営難を理由に昨年10月、当時の加計孝太郎理事長名で公立化を要望。孝太郎氏は故安倍晋三元首相と旧知で、学園の獣医学部新設を巡る「加計学園問題」では両者の関係が取り沙汰された。(堀場達) 

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