靖国神社(東京都千代田区)の入り口の石柱に落書きが見つかった事件で、中国籍の10代男性が関与したと警視庁がみていることが捜査関係者への取材でわかった。落書きは19日早朝に見つかり、同日午前に男性は中国へ出国したという。警視庁は器物損壊容疑で捜査している。

 捜査関係者によると、男性は数日前に複数の人物と中国から来日し、都内に滞在。18日午後10時ごろ、「靖国神社」と書かれた社号標と呼ばれる石柱の台座部分に登る様子が付近の防犯カメラに映っていた。その後に新宿区内のホテルに戻り、19日午前に羽田空港から中国に出国したという。

 事件後、中国のSNSには、落書きの写真と自撮り画像が投稿された。警視庁は、この画像に写っていた男性と防犯カメラに写っていた男性は同一人物とみている。

 麴町署によると、落書きは、柱の下部に黒いフェルトペンのようなもので、トイレを意味する中国語に似た字など複数の文字が書かれていた。石柱の台座部分にもアルファベットで「SB」などと書かれていたという。

 今回被害のあった石柱は今年5月にも、赤いスプレーで「Toilet」と落書きされた。その後、落書きに関与したとして、警視庁公安部が同容疑などで中国籍の男3人の逮捕状を取った。そのうち職業不詳の男1人が7月に逮捕、起訴された。(藤田大道)

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