東京都練馬区が計画する「稲荷山公園」の整備に関して、21日夜に区役所で開かれた専門家委員会による会合で、区が満員を理由に一部の区民の傍聴を認めず、終了後に騒然とする一幕があった。傍聴できた住民からも「区民をないがしろにしている」と不満の声が上がった。

21日、練馬区役所で行われた会合の開始前、計画見直しを求める紙を掲げて抗議する住民

◆「いすを追加するスペースはあった」

 会合は、生態系の専門家らが公園の植生や保全について区に助言する目的で、区役所の一室で開かれた。会議が始まって数分後、区民ら3人が傍聴しようとしたところ、区職員から「満員だ」として入室を断られたという。  会議は1時間15分ほどで終了。その後、3人が入れなかったことを知った傍聴者が区職員に「なぜ傍聴させなかったのか」と苦情を訴えた。入室を断られて外で待機していた女性(72)は、会議終了直後に室内の様子を見て「(いすを追加で置ける)スペースはあった。とても残念だ」と話す。

◆1000人が居住、計画見直しの声上がる

 会合は昨年から開かれており、4回目。区道路公園課の担当者によると、今回は1週間前にホームページで「傍聴人数は20人程度」と告知。この日は28人が傍聴した。担当者は本紙の取材に「席は足したが、対応しきれなかった。次回以降どのようにあらためるのか検討する」と語った。  公園整備は、緑地の保全を目的に大泉町と土支田の10ヘクタールの区域で計画。区域には400戸余り約1000人が暮らしているとされ、立ち退きを迫られる多くの住民から計画見直しを求める声が上がっている。(浜崎陽介) 

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