今月14日、新見市井倉の高梁川で、川遊びをしていた小学3年生の男の子が流されたサンダルを追いかけようとして溺れ、助けようとした中学2年生の兄が流されて亡くなりました。
弟は父親に救助されて無事でした。
事故から1週間余りとなる中、現場の川では再発防止の取り組みが行われています。
新見市は事故の翌日、河原に続く階段に「川の中に入らないで」と呼びかける紙を貼った三角コーンを設置しました。
また、川の近くに観光名所の井倉洞があり、訪れた観光客の中には川に近づく人も見られたことから、警察官がパトロールをして川に入らないよう注意を呼びかけています。
当時、現場に駆けつけた新見警察署の松永清吾巡査部長は「底が見えて浅いと思っても実際には深い川です。川について詳しくないまま入るのはやめてほしい」と話していました。
NPO法人“サンダルが流されても追いかけないで”
過去の水難事故について分析している河川財団によりますと、子どもが流されたサンダルやボールなどを追いかけて溺れるケースは、これまでにも相次いでいるということです。
大阪市のNPO法人「AQUAkids safety project」では、ホームページや啓発動画を作成するなどして、サンダルが流されても追いかけないよう呼びかけています。
キーワードは「サンダルバイバイ」。
動画では小さな子どもたちにも理解してもらいやすいよう、オリジナルの曲に「サンダルがながされたらさよならバイバイしましょうね」、「ながされたサンダルはぜったいひろわない」などと歌詞をつけて紹介しています。
NPO法人の代表のすがわらえみさんによりますと、子どもがサンダルなどを追いかけてしまう背景には「物をなくしてはいけない」という教えや「なくしたら叱られる」という考えがあるとみられ、保護者の理解も必要だということです。
このためNPO法人では、サンダルを追いかけないことや、サンダルをなくしても叱らないことを約束する「おやこ条約」という用紙を作成してホームページで公開していて、親子で署名して活用してほしいと呼びかけています。
すがわらえみさんは「サンダルはまた買えますが、命は買うことができません。大切な命を守るため“サンダルバイバイ”をしっかり覚えて、家族や友人たちとも共有してほしい」と話しています。
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