将棋の藤井聡太王位(22)=竜王・名人・王座・棋王・王将・棋聖=に渡辺明九段(40)が挑む伊藤園お~いお茶杯第65期王位戦7番勝負(東京新聞主催)の第4局が20日、佐賀県唐津市の洋々閣で指し継がれ、午後6時24分、後手番の藤井が100手で勝利。対戦成績を3勝1敗とし、王位5連覇と永世王位の資格獲得まであと1勝と迫った。

王位戦第4局で勝利した藤井聡太王位=20日、佐賀県唐津市で

 持ち時間各8時間のうち残りは渡辺14分、藤井27分。第5局は27、28日、神戸市北区の「中の坊瑞苑」で指される。

◆7五歩からほぼ一本道の展開に

 渡辺の矢倉戦法に藤井が急戦で応じた本局。渡辺は1日目に2時間37分の長考で封じた8四角(43手目)の後、5九銀(45手目)と角の逃げ場をつくる我慢の順を選んだ。藤井は6五桂(48手目)から1三角(52手目)と中央に狙いを付けると、さらに7五歩(54手目)からの猛攻で8七飛成(74手目)と突破し、優勢を築いた。渡辺も懸命に受け、2二角(91手目)と反撃を見せたが、最後は藤井が長手数の詰みを読み切り、先手玉を仕留めた。  立会人の中田功八段(57)は「渡辺九段が角道を止めた5七歩(53手目)が疑問で、7五歩からほぼ一本道の展開になった。ただ序盤は渡辺九段の構想に見応えがあった。次局も熱戦を期待したい」と話した。

◆「距離感をつかむのが難しく」、「相手の攻めが厳しかった」

 藤井聡太王位の話 5一飛(44手目)の局面は本譜のような展開のほかに、2四歩から攻められる手もあり、難しかった。7五歩(54手目)から攻めたが、際どかった。互いの玉形が異なり、距離感をつかむのが難しい将棋だった。

王位戦第4局で勝利し、笑顔で対局を振り返る藤井聡太王位=20日、佐賀県唐津市で

 渡辺明九段の話 5一飛(44手目)の後の方針が1日目では決まらず、8四角(43手目)を封じ手にした。流れとしては攻めていかないとおかしいが、成算が持てなかったので撤退した。一息つきたかったが、相手の攻めが厳しかった。  ◇  王位戦中継サイトで、最新の棋譜や対局者の様子などの最新情報を紹介しています。 

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