付き合いのある自動車販売会社に架空取引を持ちかけ、約9900万円をだまし取ったとして、愛知県警は20日、「NTP名古屋トヨペット」(名古屋市)の元社員、渡辺昌彦容疑者(47)=名古屋市緑区=を詐欺の疑いで逮捕した。

複数の会社に自動車販売の仲介名目で架空取引を持ちかけていた疑いがあり、県警は取引総額が計14億5千万円を超えるとみて調べている。

逮捕容疑は昨年11月、名古屋市緑区の自動車販売会社の男性役員に「自動車売買の仲介に入って代金を立て替えると、1割ほど上乗せした額が振り込まれる」などとうそをつき、現金を詐取した疑い。容疑を認めている。

県警によると、渡辺容疑者は発覚を免れるために同様の行為を繰り返し、仲介した会社の口座には別の架空取引により現金が振り込まれるように仕向けていた疑いがある。取引が多額になると、振り込みが滞るようになり発覚。複数の会社が被害届を提出した。

一部は自身の口座にも振り込ませていたといい、勤務先で自身が生じさせた未回収金を穴埋めしようとしたとみられる。

NTP名古屋トヨペットによると、渡辺容疑者は法人営業を担当していた。3月に懲戒解雇された。同社は事件について「コメントを差し控える」としている。〔共同〕

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