絵本サロンの改装された押し入れと、名城大の谷田真准教授=5日、名古屋市

 名古屋市の築30年を超える団地の一室に、小さな絵本サロンが生まれた。名城大(同市)の学生らが手がけ、遊び心ある隠れ家のような雰囲気が特徴だ。世代を超えた交流や、空き家が目立つ団地の有効活用につながると期待されている。  同市天白区の「一つ山荘」の東T―D棟105号室。年季が入った玄関扉を開ければ、天井まで続く木の飾り棚が廊下から居間へ連なり、図書館から借りた180冊の絵本が並ぶ。和室には子どもサイズのちゃぶ台やいすが置かれ、押し入れはじっくり絵本の世界に浸れるよう小さな部屋に改装されている。  市によると、一つ山荘は1983年度に建設が始まり、定住促進住宅と市営住宅合わせて全691戸。今年3月末時点で562世帯が入居する。築年数が経過し、空き家が増え、入居者の高齢化が課題となってきた。  市の依頼を受けた名城大理工学部建築学科の谷田真准教授と学生が、若い世代を呼び込もうと企画。3DKの約半分のスペースを使い、設計から家具作りまで手がけ、4月にサロンをオープンした。週3日ほどの開所で、学生が運営を担い交代で管理人を務める。


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