三重県尾鷲市のNPO法人「あいあい」が運営する2階建てのグループホーム。津波ハザードマップの想定浸水域内にある=14日

 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を受け、注意呼びかけの対象となった三重県尾鷲市のグループホームでは、入居者を16日までの1週間、高台の施設に避難させた。海が近く、運営する団体は「職員が少ない夜間に津波が来た場合、避難誘導することは難しい」として、想定外の災害が起こり得ることも考慮し決めた。

 尾鷲市のNPO法人「あいあい」が運営する2階建てのグループホームは、津波ハザードマップの想定浸水域内。南海トラフ巨大地震で津波が発生すると、ホーム付近の沿岸には最速5分以内で到達し、波高は最大11メートルに達すると予想。

 8日の発表を受け、9日に入居者9人を、法人が管理する高台の高齢者施設の空室などに避難させた。

 東大の片田敏孝特任教授(災害社会工学)は「巨大地震注意は、防災対応を具体的に指示する『行動指南型』の情報ではないため、それぞれが責任を持って決断することが求められる」と指摘する。

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