フランスの詩人ランボーの研究などで知られる文芸評論家、フランス文学者の粟津則雄(あわづ・のりお)さんが19日、心筋梗塞のため死去した。96歳。愛知県出身。葬儀は近親者で行った。喪主は弟庸雄(つねお)さん。後日、しのぶ会を予定している。  東京大仏文科を卒業後、雑誌に発表した評論「ボードレールの近代性」で注目を集める。「ルドン」など画家の評伝や、音楽評論「出会いの旋律」など、幅広い芸術を対象に論じた。とくにランボーの翻訳と研究はライフワークとなり、「少年ランボオ」「ランボオ全詩」など多くの著作を残した。  自らも詩作を行い、詩論も展開。詩論集「詩の空間」「詩人たち」で藤村記念歴程賞を受賞。「正岡子規」で亀井勝一郎賞を受けた。  法政大名誉教授。法政大を定年退職後、福島県のいわき市立草野心平記念文学館館長に就任した。93年に紫綬褒章を受章、2010年に「粟津則雄著作集」で鮎川信夫賞特別賞を受けた。日本芸術院会員。


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