イタイイタイ病は、鉱山から排出されたカドミウムが原因で、富山県の神通川流域の住民や農地に甚大な被害を及ぼしました。

被害者団体などによりますと、亡くなったのは患者と認定されていた富山市の93歳の女性です。

おととし、検査で患者として認定され、今月11日に体調が悪化して亡くなったということです。

富山県などによりますと、イタイイタイ病ではこれまでに201人が患者として認定されましたが、女性が亡くなったことで、1967年に患者の認定が始まって以降、生存している患者は初めてゼロとなりました。

一方、将来、イタイイタイ病になる可能性を否定できない「要観察者」と判定されている人では90代の女性1人が生存しています。

被害者団体の元会長「苦しんでいる人は今も多く」

被害者団体の「イタイイタイ病対策協議会」の会長をおととしまで20年近く務めていた高木勲寛さんは「亡くなった女性はイタイイタイ病によって長い間、思いもしなかった痛みに苦しめられたと思います。今はゆっくりおやすみくださいと心から祈っています。この地域には患者認定にまで至らなくても将来、イタイイタイ病になる可能性がある人もふくめて、腎機能の低下に苦しんでいる人が今も多くいます。生存している認定患者はゼロになりましたが、引き続き、見守っていかなければならないと思っています」と話しています。

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