台風5号は12日朝から昼前にかけ東北地方に上陸し、横断すると見込まれている。東北では12日午前にかけ線状降水帯が発生し、総雨量が平年の8月1カ月分を超える記録的な大雨となる恐れがある。気象庁は災害が発生する危険度が急激に高まる可能性があるとして警戒を呼びかけている。

気象庁によると、台風が東北太平洋側に直接上陸したのは1951年の統計開始以降、2016年の台風10号と21年の台風8号の2度しかない。16年の台風10号では岩手県岩泉町の高齢者グループホームで9人が死亡するなど20人以上が犠牲になった。

岩手県を中心に太平洋側の自治体の一部は11日時点で避難指示を出し、住民に早期の避難を呼びかけた。

気象庁によると、台風5号は12日4時現在、宮城県気仙沼市の南東を時速10キロで西北西へ進んだ。中心気圧は980ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は25メートル、最大瞬間風速は35メートル。

13日午前6時までの24時間で予想される東北の雨量は多い所で250ミリ。12日に予想される最大風速(最大瞬間風速)は東北25メートル(35メートル)、北海道18メートル(25メートル)。北日本は12日にかけ大しけとなる所があると見込まれている。

日本航空は11日時点で、12日に東北地方を発着する78便の欠航を決めた。約7000人に影響するとしている。全日本空輸も12日に青森空港を発着する8便を欠航とする。

JR東日本は12日の東北、山形、秋田の各新幹線で運休や遅れが発生する可能性があるとしている。在来線は東北地方の一部で運転を見合わせる。

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