「パニックになり上着も着ずに逃げた」「同じ国の同じ言葉で話す友人たちのもとに着いてほっとした」。元日の能登半島地震で被災した外国人たちの体験記を、石川県の七尾市国際交流協会が冊子にまとめた。協会の大星三千代理事長(77)は「私たちの視点では分からないことがある。次に起こるかもしれない災害に役立ててほしい」と話す。
2月上旬~3月上旬に募集し、主に七尾市で被災したインドネシアやベトナム、中国など12の国と地域の63人が寄稿。「あの時わたしは」と題し、60ページ余りにわたり体験がつづられている。書き手は日本語教室などでつながりがあった技能実習生や外国語指導助手(ALT)で、母国語で書いてもらったものを翻訳した。
言葉の問題で情報を得るのに苦労したことや、地震直後にどこへ行くべきか分からず、友人らとチャットでやりとりしながら避難所に向かったことなどを紹介。大星さんは、生活用水をくむバケツがなく困っている外国人がいることを体験記で知り、バケツを配る支援につなげたという。
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