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  • 【観光地で備え進む】

  • 高知「よさこい祭り」LINEなどで避難場所を発信

【観光地で備え進む】

高知「よさこい祭り」LINEなどで避難場所を発信

「よさこい祭り」は高知の夏の風物詩で、ことしは184チーム、およそ1万6000人以上の踊り子が参加する見込みです。

9日の前夜祭で4日間にわたる「よさこい祭り」が幕を開け、10日から高知市内の商店街などの会場を回って各チームが踊りを披露する本番が始まりました。

ことしの祭りでは、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が出されたことを受けて、主催するよさこい祭振興会では踊り子や観客に通信アプリのLINEなどを活用して避難場所の情報を発信しているということです。

「よさこい祭り」は10日と11日が「本番」で、最終日の12日は全国各地のチームが競演する全国大会が開かれます。

松山 道後温泉 備蓄品の確認やエレベーターの点検

全国有数の観光地、松山市の道後温泉ではホテルや旅館が避難対策の確認を進めています。

道後温泉にあるホテル「道後御湯」では、臨時情報の発表後、地下に設置している貯水槽や自家発電機のほか、簡易トイレといった備蓄品の確認を行った上、地震の際にエレベーターがきちんと緊急停止するかどうかも点検したということです。

一時予約のキャンセルが数十件に上りましたが、新たな予約も入っているということです。

ホテルの宮崎光彦社長は、「安心安全こそが最大のおもてなしだと思うので、これからも地震への備えを進めていきたい」と話していました。

お盆にできる備えは?

専門家は「帰省や旅行を中止する必要は無く、備えをいっそう進める機会にしてほしい」と呼びかけています。

【宿泊キャンセルも】

高知の老舗旅館「ここまでキャンセル出るとは」

高知市ではよさこい祭りが開かれるこの時期、毎年、多くの観光客が訪れますが「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が出されたことを受けて、宿泊施設の予約のキャンセルが相次いでいます。

老舗の旅館「三翠園」では、臨時情報の発表を受けて、地震や津波が発生した場合は速やかに避難の誘導ができるよう、避難場所などを改めて確認した上で通常通り営業していますが、8月分のキャンセルはおよそ500人分に上っているということです。

水野浩太 総支配人は「ここまでキャンセルが出るとは想定外です。改めて地震と津波を想定して避難経路を確認しました。地震に気をつけながら高知にお越しいただければと思います」と話していました。

和歌山 白浜のホテル「キャンセルは痛手 政府の判断注視」

気象庁が「南海トラフ地震臨時情報」を発表したことを受けて、和歌山県の白浜町は9日、町内4か所すべての海水浴場をおおむね1週間、閉鎖することを決めました。

こうしたなか、白浜町にあるホテルでは宿泊予約のキャンセルが相次いでいます。

例年、お盆期間は観光の最盛期で210ある部屋は予約でほぼいっぱいとなっていましたが、ホテルによりますと10日の予約は、すでに3割あまりがキャンセルされたということです。

ホテルでは宿泊客に向けて、地震が起きた際は従業員が避難場所の駐車場に誘導することなどを書いた張り紙を玄関やロビーなどに掲示する対応を取っています。

兵庫県から家族で訪れたという40代の男性は「安全面についてホテルに問い合わせるなど情報を集めてから訪れることにしました。海で泳げないことは残念です」と話していました。

ホテルの林英紀総支配人は「この時期の予約キャンセルは痛手ですが、訪れた方の安全が第一なので、今後、いま出されている情報がどうなるかなど、政府や自治体の判断を注視していきたい」と話していました。

宮崎市内のホテル「しっかり対応する準備進める」

宮崎市内のホテルでも宿泊予約のキャンセルが相次いでいます。

宮崎市の海沿いにあるホテルでは、地震の影響でこれまでに8月分の宿泊予約のキャンセルが500件近くに上っています。

このホテルは、津波の際の宮崎市の緊急避難場所として指定されていて9日の地震の際は、宿泊客や避難してきた人たちを3階以上に避難させたり、備蓄品を配布したりといった対応をとりました。

臨時情報の発表を受け、避難が長期化した場合や多くの地域住民が避難してきた場合に備え、飲料水などの備蓄を増やすとしています。

「ANA ホリデイ・インリゾート宮崎」の児玉麻衣シニアマネージャーは、「有事の場合はしっかり対応する準備は進めているので、宮崎での滞在を楽しんでほしい」と話していました。

【各地の対策は】

観光地だけではなく、日常生活の中でも各地で対策が進められています。

大阪 地域の「防災リーダー」が勉強会

津波による被害が懸念される大阪 港区では災害に備えた勉強会が開かれました。

大阪 港区の港消防署では、区から地域の防災活動の中心を担う「防災リーダー」の認定を受けた住民を対象に、災害時の対応を学ぶ勉強会が開かれ、およそ40人が参加しました。

講師を務めた区の防災アドバイザーは、南海トラフ巨大地震が発生した場合、区内は広い範囲が津波で浸水するおそれがあるとして、最寄りの避難場所を確認することや、家族と話し合って避難ルートや集合場所、連絡手段を決めておくことが重要だと説明しました。

その上で巨大地震が起きた際は真っ先に避難行動をとることで、周囲の人たちの避難を促す「率先避難者」になってほしいと呼びかけていました。

参加した50代の男性は「臨時情報が出るまでこの情報のことを詳しく知りませんでしたが、今は緊張感を持って受け止めています。近所の人たちに避難場所の確認などを呼びかけたいです」と話していました。

東京 スーパーに備蓄品のコーナー

東京 墨田区のスーパーでは、10日から水や缶詰など備蓄できる食料品を集めた売り場を新たに設けています。

売り場には、追加で仕入れたペットボトルの水のほか、缶詰やパックごはんなど保存期間が長い食料品が並べられました。

買い物に訪れた20代の男性は、「すでに水や食料が入った防災袋を枕元に置いているので今回の地震を受けて新たに何かを買うことはありませんでした。もしものときは防災袋の中身を使いたいと思います」と話していました。

また50代の女性は「東日本大震災を教訓に、買い占めが起こらないように水など必要なものはすでに備蓄してあります」と話していました。

「スーパーイズミ」の五味衛社長は「東日本大震災のときは多くの人が食料品などを買い求めに来たので今回、新たにスペースを設けました。まだ災害への準備をしていない人は万が一に備えて準備をしてほしいです」と話していました。

千葉 盆踊り会場に避難場所の看板

千葉県いすみ市では10日夜、盆踊り大会が予定され、これを前に会場となるグラウンドに地域の人たちが集まって設営作業が進められました。

一方で、「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)が出されたことを受けて、会場内には、万一に備え近くの避難場所を知らせる看板が設けられたほか、ハザードマップも掲示されました。

盆踊り会場は、南海トラフ巨大地震で市の沿岸部に津波が押し寄せた場合、浸水のおそれがあるとされる「バッファゾーン」と呼ばれる区域に含まれていて、スタッフの人たちは避難誘導の手順なども確認していました。

大会実行委員会の事務局を務める小高寛子さんは「もしもの時にも来場者が慌てずに行動できるよう避難場所を周知することにした。案内の看板を確認したうえで盆踊りを楽しんでほしい」と話していました。

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