8日に起きた日向灘を震源とする地震の影響について、気象庁などは10日、通常みられる変化以外に南海トラフ地震の想定震源域で異常な兆候は「観測されていない」と説明した。

ただ、活発な地震活動は収まっていないとして、揺れを感じたり津波警報が発表されたりしたら、すぐ避難できるよう対策の継続を呼びかけた。

気象庁によると、8日夕の地震発生から10日午後2時までに南海トラフ地震の想定震源域内で震度1以上の地震を16回(速報値)観測した。うち震度3が1回、残りが震度1〜2だった。

神奈川県で最大震度5弱を観測した9日夜の地震については、気象庁は想定震源域外だったと説明。8日夕の地震との関連も「震源地の距離が離れているため直接的な関連はない」とした。

日向灘を震源とする地震は8日夕に発生。宮崎県で最大震度6弱を観測した。同庁は同日、南海トラフ地震の臨時情報(巨大地震注意)を初めて出した。

臨時情報の発表を受け、同庁は9日からの1週間、毎夕に地震活動の状況に関する情報を出す。大地震が発生したり兆候となる現象を観測したりしなければ、最終日の15日に改めて巨大地震への備えを呼びかける方針だ。

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