南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が8日に発表されると、X(旧ツイッター)などのSNSでは、悪質なデマや誤情報の投稿が相次いだ。国や自治体は不確かな情報をむやみに信じたり拡散したりしないよう呼びかけている。
「南海トラフ地震臨時情報、これから気をつけることは?」との文言とともに、今後とるべき防災行動を図解したあるXの投稿。注意喚起にみえるが、画像をクリックすると全く関係のないアダルトサイトにつながる。
地震発生以降、こうした悪質な投稿が相次いでいる。
非科学的な内容も多い。「人工地震だ」と断定するような投稿も複数みられ200万回以上閲覧されているものもある。
静岡県は「現在の科学技術では、いつ、どこで、どのような大きさの地震が発生するかを予知することはできない」として、不確かな情報を信じないようホームページで呼びかけている。
内閣府はX公式アカウントを通じ「注意の呼びかけとともに投稿される写真や動画の中には外部サイトへの誘導を目的とするものがある」と、むやみに拡散しないよう求めた。
災害時のSNS上のデマはこれまでも問題視されてきた。
2016年の熊本地震では「ライオンが動物園から逃げ出した」とする虚偽情報を投稿した男が摘発された。22年に日本列島に台風が接近した際には、水没した市街地の偽画像を人工知能(AI)で作成した投稿もあった。
今年1月の能登半島地震を巡っては、石川県警が7月、虚偽の救助要請をSNS上に投稿し、県警に捜索活動をさせて業務を妨害したとして男を偽計業務妨害容疑で逮捕した。
SNSは災害時の重要な情報発信ツールである一方、悪質な投稿によって人命救助や復旧活動に深刻な影響を及ぼす恐れもあるとして、警察庁は事業者への削除要請を強化する方針を示している。
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