夏休みの帰省ラッシュが10日、ピークを迎えた。JR各社の指定席予約はコロナ禍前(2018年)を1割ほど上回っていたが、気象庁による「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」の発表を受け、東海道新幹線は一部区間で最高速度を落として運転を続けた。

 JR新大阪駅(大阪市淀川区)の新幹線ホームは、故郷や旅行へと向かう乗客たちで朝から混み合っていた。長崎県五島市に帰省する大阪市の公務員白石勝実さん(41)は、子どもたちと魚釣りをしたり海で泳いだりする予定だという。「地震速報が出たらすぐに避難できるよう、避難経路を考えながら過ごしたい」と話した。

 この日に東京駅を出発する東北新幹線「はやぶさ」「こまち」は終日ほぼ満席。18日まで全車指定席化される東海道・山陽新幹線「のぞみ」も満席が続いた。一方、東海道は静岡県内の三島駅と愛知県内の三河安城駅の間で最高速度を時速285キロから230キロに落として運転。このため、一部の列車に遅れが出た。

 上りのピークは12日だが、14~18日にも混雑が分散する傾向があるという。

 8日の地震で最大震度6弱を観測した宮崎県。宮崎空港(宮崎市)では10日午前から、帰省してきた人たちで混雑していた。

 福岡市の吉田啓子さん(40)は帰省を取りやめるか一時悩んだという。満席だったはずの航空機の予約状況は地震の後、空席も出ていた。「宮崎に行くのをやめる人もいるのか」と、とまどったが、高校の同窓会を楽しみに予定通り帰ってきた。小学4年生の息子、晃大君は「いとこと一緒にプールに行くのが楽しみ」と笑顔。ただ、津波を心配して海には行かないようにするという。

 各地の高速道路も下りで渋滞のピークを迎えた。日本道路交通情報センターによると、10日午前10時半時点の渋滞は、中央道下り相模湖インターチェンジ(IC)付近で34キロ、東北道下り矢板IC付近で23キロ。同センターによると、上りは12~14日に渋滞が予想される。

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