むつ市に建設中の中間貯蔵施設は、原子力発電所から出る使用済み核燃料を一時的に保管する、全国で初めての施設で、事業者の「リサイクル燃料貯蔵」は、ことし9月までの事業開始を目指しています。

これを前に、大規模な津波を想定して設置した安全対策の設備を31日、報道向けに公開しました。

このうち、災害時の活動拠点となる「予備緊急時対策所」は、青森県が想定している津波の高さの2倍以上の、海抜およそ30メートルの高台に設けられていて、外部電源の喪失に備えて電源車が配備されているほか、すぐ近くには、この電源車に供給する軽油の貯蔵タンクも整備したということです。

このほか、使用済み核燃料を入れる「キャスク」と呼ばれる容器を保管する建屋の内部も公開されました。

中間貯蔵施設をめぐっては、29日に青森県の宮下知事が、事業開始の前提となる安全協定を8月に、むつ市とともに事業者と結ぶ意向を表明していて、安全協定の締結後に、実際に使用済み核燃料を施設に運び込み、原子力規制委員会による最終的な確認などを経て、事業開始となる予定です。

「リサイクル燃料貯蔵」の高橋泰成社長は「知事からも言われているが、事業を安全最優先に行っていくことが大前提だ。安全最優先で、一歩一歩進めていきたい」と話していました。

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