SNSの偽広告などを通じ金銭をだまし取る「SNS型投資詐欺」を巡り、2024年1〜6月の被害額が506億3千万円に上ることが31日、警察庁のまとめで分かった。前年同期比7倍で、1件あたりの平均被害額は1418万円だった。被害者は50〜70代が多く全体の70.9%を占めた。新たな手口の詐欺による脅威の高まりが鮮明になった。
「オレオレ詐欺」といった特殊詐欺の年間被害額で過去最悪だったのは14年の565億5千万円。SNS型投資詐欺は上半期だけでその規模に迫る勢いになっている。
SNS型投資詐欺は著名人の写真や名前を悪用したなりすまし広告を起点として、参加者が限られるグループチャットに誘い込み虚偽の投資話を持ちかける手口が目立つ。
24年上半期は計3570件の被害が確認された。茨城県内の70代女性が計約8億円を詐取される高額被害もあった。
被害者を誘う広告で悪用されたSNSやサイトはインスタグラムが31.4%で最も多く、フェイスブック(19.4%)、投資サイト(14.2%)が続いた。詐欺グループがかたった身分は投資家(35.5%)が多く、「その他著名人」が17.6%だった。
恋愛感情を抱かせ投資話などを持ちかける「ロマンス詐欺」は24年上半期に計1498件確認され、被害額は約153.9億円だった。1件あたりの平均被害額は1000万円を超えた。
ロマンス詐欺はマッチングアプリ上で接点を持ち、被害者に恋愛感情や信頼感を抱かせた上で金をだまし取る。いずれの詐欺も被害者を投資に誘う点で手口が共通する。
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