海外の薬が日本で実用化されない「ドラッグロス」を解消するため、国内未承認の86品目のうち必要性が高いと判断した薬について、2026年度までの開発着手を目指すとの工程表を政府がまとめたことが30日、関係者への取材で分かった。

 同日午後、国内外の関係者を集めて首相官邸などで開催する「創薬エコシステムサミット」で示す。

 86品目は希少疾患や子どもの薬が中心で、海外スタートアップ(新興企業)が手がけているものがこのうち48品目と多い。患者数が少なく、採算性が乏しいことが開発されない理由とみられている。

 工程表では、24~28年度の5年間で、子どもの薬の開発計画を計50件にすることも掲げる。希少疾患の薬の承認も計150件にする。

 21年に100件ほどだった、国際共同治験の計画の届け出件数を、28年に150件に増やすことも目指す。企業価値100億円以上の新興企業を28年までに新たに10社以上誕生させ、創薬の新興企業に対する民間投資額を2倍にすることも盛り込んだ。

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