元日の能登半島地震で被災した子どもたちを元気づけようと、ボランティアグループが中学生5人をパリ五輪に招待した。中学生らは28日、サッカー女子の日本代表とブラジルとの試合を観戦。渡航には、サッカー漫画「キャプテン翼」も一役買った。

 観戦したのは、石川県輪島市、珠洲市、能登町の中学生5人。試合は、なでしこジャパンが土壇場で同点に追いつき、勝ち越す劇的な展開で、試合後には選手たちと話す機会もあった。輪島市の中学3年船板楓さん(14)は「地震のことを忘れるくらい楽しくて、勇気ももらって、最後は叫んじゃいました」と笑った。

 今回の観戦は被災地のボランティアグループが企画。渡航費をインターネット上の募金やクラウドファンディングで募ったところ、500万円以上が集まり、男女のサッカー日本戦を計4試合観戦することができた。

 「キャプテン翼」の作者の高橋陽一さんも賛同者の一人で、クラウドファンディングの返礼品のTシャツ用に、イラストの使用を無償で認めた。依頼したボランティアグループ関係者によると、「二つ返事でOK。言葉少ない人だけど、『応援しているよ』と言ってくれました」という。

 キャプテン翼は、フランスで「オリーブとトム」とのタイトルで人気がある。被災地の現状を伝えようと、中学生らが現地で交流会を開いた際、現地の参加者にTシャツをプレゼントすると、すぐに無くなったという。(後藤遼太)

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