多くの生徒が検査を受けなかった経緯を説明する市教委の担当者=川崎市役所で
川崎市教育委員会は26日、中原区の市立今井中学校で2019~22年度、春の定期健康診断で、本来は生徒全員が対象の脊柱検査を95%以上の生徒に実施していなかったと発表した。脊柱検査は学校保健安全法施行規則で実施が定められている。 市教委健康教育課によると、保護者が記入する保健調査票で「両肩の高さに違いがある」「腰を前に曲げたり、後ろにそらしたりすると痛みがある」などに該当するとした生徒だけに、内科健診で視触診と前屈テストを実施。20年度には全校生徒421人中、検査を受けたのは8人だけだった。検査を受けていない生徒の結果は「未検査」とするべきだったが、「異常なし」としていたという。◆371人に臨時健診をしたら…52人が「異常あり」
23年1月、未検査だった当時2年生の生徒が市内の整形外科を受診したところ、脊柱側彎(そくわん)症と分かり、市教委が検査の一部未実施を把握。2~3月に未検査の生徒371人を対象に臨時健診をしたところ、52人が「異常あり」として受診勧奨を受けた。受診報告があった14人中10人に側彎症やその疑いがあったという。 市教委は健診内容に対する事実誤認があったとして、同校の30代の女性養護教諭を26日付で文書訓告の人事措置とした。(北條香子) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。