公正取引委員会は26日、内視鏡の消毒液の販売を巡り不当に競争を制限したとして、医薬品販売のASPJapan合同会社(東京・港)に独占禁止法違反(不公正な取引方法)で再発防止を求める排除措置命令を出した。

公取委は2022年12月にASP社と医薬品販売大手の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)を立ち入り検査した。J&Jはすでに問題となった事業を行っておらず処分が見送られた。

公取委によると、ASP社はJ&Jから事業を譲渡された19年4月以降、自社製の消毒液しか使えない仕様の内視鏡洗浄器を販売。医療機関が自社製の消毒液を購入せざるを得ないようにすることで、他社が消毒液を販売するのを妨げていた。

自社製の消毒液しか使えない機器の販売はJ&Jが17年に始め、ASP社が引き継いでいた。J&J製の消毒液の特許が切れて安価な他社製品が流通していたため、収益を確保する狙いがあったとみられる。

独禁法は特定の商品を購入する条件として不当に別の商品の購入を課す「抱き合わせ販売」を不公正な取引方法として禁じている。

内視鏡消毒液の市場規模は22年時点で約27億円。ASP社はシェアの約70%を占めるとされる。

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