山形と秋田の両県で降った記録的な大雨に関連して、X(旧ツイッター)上では26日、大雨災害に乗じたスパム(迷惑)とみられる投稿が相次いでいる。大雨に関する文字情報と共に投稿された画像をクリックすると、外部のアダルトサイトなどに誘導される仕組みになっており、注意が必要だ。

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 朝日新聞が26日午前に確認したアカウントの一つは、数十秒~数分おきに「こちらは、大雨特別警報が発表されている酒田市の映像と見られます」などと記して、道路が冠水している画像を投稿。この画像をクリックすると、Xとは別の、出会い系と見られるサイトにアクセスされた。

 同様のアカウントは他にも複数あり、いずれもアカウント名は外国人名になっている。「【速報】山形県に大雨特別警報 山形県に大雨特別警報が発表されました(警戒レベル5相当)」として、雨雲レーダーの画像を投稿している例もある。画像のリンク先がアダルトサイトや通販サイトになっている投稿もあった。Xの検索機能で「山形県 大雨災害」などと検索すると、こうした投稿が表示される状況になっている。

 東北大災害科学国際研究所の佐藤翔輔准教授(災害情報学)は「災害に便乗して、外部サイトに誘導したり、インプレッション(表示回数)を稼いだりするのが目的ではないか。トレンドを自動的に調べて機械的に投稿を生成するツールが使われていると思う」とみる。

 その上で「このような投稿がたくさん出ると、公的機関が出している災害情報や避難情報が埋没してしまう。必要な人に、必要な情報が届かなくなる可能性がある」と危惧する。

 こうした投稿は運営会社側で判別してフィルターして見えないようにすべきだと指摘。「利用者は、出どころがわからない投稿ではなく、公的機関や信用できる報道機関のXアカウントの投稿や、各機関の公式ウェブサイトから情報を得るのが重要だ」と話す。

 朝日新聞はこうしたアカウントに意図を尋ねるリプライ(返信)を送ったが、午前10時現在、反応はない。(田中恭太、中野浩至)

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